Ace Tone Wah Master WM-1
70年代のビンテージ・ワウペダル、Ace ToneのWah Master WM-1を試してみたくて師匠に借りたところ、音が全く出ない状態になってしまいましたので、修理をしました。
といっても、端子等、接点のクリーニングのみで、すぐ復活しましたので、特に書く事はないのですが、回路分析とワイヤリングを全てやり直しました。
基板です。
Cry Babyで使用されているインダクターは付いておりません。
トランジスタ2石の可変バンドパスフィルターで非常にシンプルで小さな基板です。
トランジスターはCDC1300と書かれたNPNタイプですが、検索してもデータは全くヒットしませんでしたね。
このワウの最大の特色は踏み込んだ時のサウンドがほぼ原音に近く、Cry Baby系特有の色が付いた感じがなくナチュラルなサウンドです。
ですが、ワウ効果は動かすとしっかり"クワッ!"っと明瞭に変化しますね。
それと、ペダルはバネ効果で上に上がった状態になっており、動かせばオートマチックでオンになりますので、スイッチを踏み込む必要がありません。
画像がペダル裏のスイッチ部で、ヒンジレバー式のマイクロスイッチが付いてます。
基板のハンダの腐食もみられましたので、慎重にパーツを外し、古い半田は全て除去して基板を洗浄しました。
各パーツをチェックしましたが、特に劣化は見られないので、全てオリジナルパーツで組み直しました。
貴重なビンテージ機材ですので、今回は完全オリジナルでオーバーホールしましたが、改良したら良いなと思う点は以下の三点。
1.トゥルーバイパス仕様にする。
2. 入力バッファー回路の付加。
3. エフェクト音のゲイン調整用トリマーの付加
サイズが適合したDPDTのマイクロスイッチがあればトゥルーバイパス化は簡単ですが、そんなのあるのかな?
なければ、リレースイッチで切り替える方法になりますね。
あるいは、SPSTマイクロスイッチを2個連結するというという方法も考えられます。
うーん。妄想が広がる。
ペダルゴムが劣化して、ひび割れておりましたので、補修しておきました。
これで、完成。
足を離すとオートマチックでバイパスとなるので、マイケル・シェンカーみたいに、ペダル固定でプリアンプ的に使う用途には向きませんが、ワウとしては非常に使いやすい操作性とサウンドです。
これはMade in Japanの隠れた名機だと思いますね。
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