Jam's Bond:岐阜M様


続いてはリピーター様のオーダー。
D.IボックスのJam'sBondの製作に入ります。

ポイント・トゥ・ポイント配線のディスクリート回路にトランスという構成にて、アクティブ(ファンタム&電池駆動)とパッシブ両方の仕様で使えるというこのD.I。
私自身、ナチュラルで音楽的なサウンドがとても気に入っていて、レコーディングにライブに長年愛用しておりますね。
過去にレコーディング&P.Aエンジニアの方々に何度か製作しましたが、こちらでも非常に評判が良いです。

しかし、この機材で使用してるトランスは現在、製造中止となってしまい入手は非常に難しく、ストックもありませんので、お問い合わせいただいた時に一度はお断りさせていただいたのですが、なんと、お客様自ら見つけてきて下さいまして(画像)、この度、製作する運びとなりました。
よく見つけましたね〜。
ご近所のオーディオリサイクルショップで新品未使用品を救出されたとの事。

で、このD.I、代替えのトランスで私が気にいるのがあれば、製品ラインナップに加えたいところですが、なかなか"これだ"というのがまだ見つかりませんな。(11/4)

いつもなら筐体加工から始めるところですが、発注したケースは現在、米国からこちらに向かっております。
なので、基板の方を先にやっておきましょう。
この機材はパーツの足を直に繋ぐポイント・トゥ・ポイント方式で製作しますので、ユニバーサル基板というのを使用します。
必要な大きさにカットし、磨いたあと、完全脱脂をしてフラックスを薄く塗り終わったの図。(11/5)

半田付け前の基板の拡大画像です。
このように半田を付ける前の段階でも、しっかりと結線されてるように接合しなければ本当の意味でのポイント・トゥ・ポイントにはなりません。
極力、半田による信号ロスを減らし、接合部の堅牢性も高める為に完全密着させるのが大事です。
結構、細かい作業ですが、私は趣味で機械式腕時計の整備なんかもやってますので、それに比べたらデカく感じますね。(11/5)

先程、ケース材が届きました。
思ってたより早かったですね。
ついでに、そろそろストックが尽きそうなパーツもいろいろと仕入れときました。(11/5)

で、基板へのパーツ取付完了にて、今日はここまでとしておきます。
次はケース加工となりますが、明日と明後日は外仕事に出かけますので、続きは11/8(月)ですね。(11/5)

はい、作業再開です。
ケースの穴空け加工完了の図。
この機材はミニスライドスイッチが3つありますので、精密ヤスリを駆使して、角穴をスイッチサイズに合わせて丁寧に空けます。
綺麗に空きましたね。(11/8)

ラベリング完了の図。
良い感じですね。
続いては回路を配線し、この筐体に組み込んでいく作業ですが、今日はここまでとします。
夜は工房の隣の音楽室にて音楽制作ですな。(11/8)

配線中の図。
アクティブ回路の動作チェック良好です。
基板をチューブでカバーし、筐体に組み込んでいきます。
順調ですね。(11/9)

配線完了しました。
で、ネジ類に緩み止めのネジロック剤を塗布します。
このネジロック剤は子供の頃、駄菓子屋で買って遊んだチューブに入った接着剤みたいなのを小さいストローに付けてフーセンを膨らます玩具と同じような匂いがします。(11/9)

そう、これこれ。
今でもまだ売ってるんですね〜。(11/9)


それはさておき。
完成の図。
動作確認も完了し、良好です。
D.Iボックスというのは音色を変化させる目的のアイテムではないのですが、どんな機材でも繋げば、D.Iといえども、やはりサウンドに色は付いてしまいます。
なので、これは、なるべくナチュラルでオーガニック的なもの(あくまで私の主観的なサウンドイメージですが)を狙って設計した機材ですね。
とても気に入ってます。(11/9)

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