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Chimaira46:仙台M様

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仙台のMさんよりご依頼のChimaira46の製作に入ります。 ベースでのご使用との事ですが、この機材は、ベーシストの方々にも大変ご好評いただいておりますね。 毎度、同じような内容となってしまいますが、製作進行状況をご依頼者様にお見せするのもこのブログの目的でございますので、ご了承下さい。 という事で、いつものパーツを選ぶ作業です。 機材の仕上がりにバラツキがでないように、個体差のある抵抗やコンデンサなどのパーツを測定し、厳選していきます。 抵抗値やコンデンサの容量値などは、回路中、適当でも良い場所もありますが、ペアで数値を合わせた方が良い場所やEQ回路のようにシビアに計算すべき部分もあり、適材適所にて選び、発泡材に刺していきます。 パーツの個体差による音色変化というのは、かなり顕著に現れますので、これは必ずやります。(12/12) 本日は筐体の加工を済ませました。 傷を付けてしまわないようビニール袋に入れて仕舞っておきます。(12/13) こちらは檜製のサイドパネル材ですね。 型紙をスプレー糊で貼り付けてカットします。 今は21時。 音の大きな電動工具は近所迷惑になりますので、加工はまた後日。 明日(12/14)は他の仕事で終日出かけますので、続きは12/15となります。(12/13) はい。作業再開です。 サイドパネルの加工を完了。 綺麗な木肌です。 ステインで着色の儀。 乾燥させる間に次の作業に移ります。(12/15) 筐体のラベリング作業を完了の図。 続いては、いよいよ電工作業となります。(12/15) 着色したサイドパネルを塗装ブースでクリアコートします。 薄く吹いては乾燥させを数回繰り返します。 画像は3回目完了の図。 光沢が出てきて良い感じです。(12/16) 基板にパーツを慎重に半田付けしていきます。 まずはDual Twisted Machineの基板完了の図。 明日と明後日(17〜18日)はまた別の仕事で終日出かけますので、続きは19日の予定です。(12/16) さて、作業再開です。 こちらはIL-1の基板。 このオプティカルコンプレッサーはクリーンでも歪みと併用しても、違和感なく自然なコンプレッションがかかるのが良いです。 私は隠し味のスパイス的な使い方をよくしますが、SUSTAINを上げてコンプレッションの強いロングサスティーンのサウンドも気

スクワイア ジャズマスター改造の儀

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レコーディングでジャズマスターのサウンドが欲しくなる事が度々あり、レコーディングのみの使用ですので、まあ安いのでいいやという事で、廉価版のSquier Classic Vibe 60's Jazzmasterを入手したのですが、これがなかなかのコストパフォーマンスの高さで、すっかり気に入ってしまいました。 ジャズマスターのウィークポイントである弦落ち対策として、ブリッジをムスタングタイプに交換するという定番の改造がありすが、このギターは最初からムスタングタイプが付いているのもナイスですね。 電気系統などは改良しましたので、作業記事を書きたいと思います。 ピックガードを外してみます。 ピックガード裏のシールド材は新たに全体に張り、パーツは全て交換する事にしました。   アルミシールド用の型紙を製作するの図。 型紙に合わせてカットし、 貼り付け完了。 ジャズマスターにはフロントのVol & Toneのプリセットスイッチが装備されていますが、私には必要ない機能なので、なにか他に良い使い道はないかと考えておりましたところ、海外のサイトで面白い配線を見つけましたので、それを参考にさせていただきました。 フロントプリセットスイッチはシリーズ/パラレル切替スイッチに変更。 P.Uセレクタースイッチがどの位置にあっても、このスイッチオンで、二つのP.Uの直列サウンドとなります。 ジャズマスターのピックアップはフロントとリアがコイル逆巻&逆磁極ですので、シリーズ配線するとハムバッキング化しますといっても、P.U同士が離れていますし、2つの直流抵抗が同じでないと、厳密にはハムバッキングになるとは言い難いですが…。 まあ、擬似ハムというヤツです。 プリセットのVol & ToneのポットはMaster Toneに変更。 通常のハイカットトーンに加え、もう片方はローカットトーンにします。 で、通常Vol & Toneのポットは画像のように2Vol方式に変更。 これでハーフトーン時に各ピックアップのバランス調整が可能。 片方、絞って、スイッチング奏法なども出来ますね。 ピックアップは友人のギタールシアーさんにリワイヤリングを依頼。 手間のかかる昔の製法で全て組み直してもらいました。 直流抵抗値を指定させていただき、且つ、シリーズする事を考えて、二つのピ

Ace Tone Wah Master WM-1

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70年代のビンテージ・ワウペダル、Ace ToneのWah Master WM-1を試してみたくて師匠に借りたところ、音が全く出ない状態になってしまいましたので、修理をしました。 といっても、端子等、接点のクリーニングのみで、すぐ復活しましたので、特に書く事はないのですが、回路分析とワイヤリングを全てやり直しました。 基板です。 Cry Babyで使用されているインダクターは付いておりません。 トランジスタ2石の可変バンドパスフィルターで非常にシンプルで小さな基板です。 トランジスターはCDC1300と書かれたNPNタイプですが、検索してもデータは全くヒットしませんでしたね。 このワウの最大の特色は踏み込んだ時のサウンドがほぼ原音に近く、Cry Baby系特有の色が付いた感じがなくナチュラルなサウンドです。 ですが、ワウ効果は動かすとしっかり"クワッ!"っと明瞭に変化しますね。 それと、ペダルはバネ効果で上に上がった状態になっており、動かせばオートマチックでオンになりますので、スイッチを踏み込む必要がありません。 画像がペダル裏のスイッチ部で、ヒンジレバー式のマイクロスイッチが付いてます。 基板のハンダの腐食もみられましたので、慎重にパーツを外し、古い半田は全て除去して基板を洗浄しました。 各パーツをチェックしましたが、特に劣化は見られないので、全てオリジナルパーツで組み直しました。 貴重なビンテージ機材ですので、今回は完全オリジナルでオーバーホールしましたが、改良したら良いなと思う点は以下の三点。 1.トゥルーバイパス仕様にする。 2. 入力バッファー回路の付加。 3. エフェクト音のゲイン調整用トリマーの付加 サイズが適合したDPDTのマイクロスイッチがあればトゥルーバイパス化は簡単ですが、そんなのあるのかな? なければ、リレースイッチで切り替える方法になりますね。 あるいは、SPSTマイクロスイッチを2個連結するというという方法も考えられます。 うーん。妄想が広がる。 ペダルゴムが劣化して、ひび割れておりましたので、補修しておきました。 これで、完成。 足を離すとオートマチックでバイパスとなるので、マイケル・シェンカーみたいに、ペダル固定でプリアンプ的に使う用途には向きませんが、ワウとしては非常に使いやすい操作性とサウンドです。 これはMa

FF-1の調整方法(11/17)

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Fuzzy Faithの調整方法をアップいたします。 まずは裏蓋のビス4つを外してオープンします。 アウトプットジャックとフットスイッチの奥、基板に二つの半固定ボリュームが見えます。 画像向かって左側がエフェクト音の音量、右がバイアス調整トリマーで歪みの質感が変わります。 これを精密ドライバーで音を出しながら調整すれば良いわけですが、調整するには邪魔なアウトプットジャックとフットスイッチを外す必要があります。 何故、こんなアクセスしづらい場所に付けたんだ?と言われそうですが、ここにあるのは設計上、意味がありますので、ご了承ください。 という事でまずアウトプットジャックを外します。 ナットのサイズは1/2インチですね。 画像の道具は百均のDさんで買った物です。 続いて、フットスイッチを外します。 こちらのナットサイズは14mmです。 私はホーザンのボックスレンチを愛用。 で、ギターとアンプに繋いで音が出る状態にするのですが、アウトプットジャックをケースから外した事により回路の接地が離れてしまいますので、このままだと音は確認できません。 画像のような鰐口クリップ付きのケーブルでジャックのアース端子とケースを接続します。 鰐口クリップコードがなければ針金や導線などでアウトプットジャックのアース端子とインプットジャックの根元をこんな感じでしっかり繋げば大丈夫です(画像オレンジの線)。 この状態でもドライバーは真っ直ぐには入れられませんが、調整は可能です。 このスリ割は非常にもろいので、無理に力を加えず優しく少しずつ動かして下さい。 ドライバーサイズは2.5mmくらいのマイナス。 私の愛用品はベッセルのセラミック調整用ドライバー2.6-30 9000。 まあサイズが合えばなんでも良いです。 調整する前に位置を極細油性ペンなどでマークしておくと良いかと思います。 半固定ボリューム左側の出力調整はかなり音量を上げられますが、音色の変化もともないますので、必要以上には上げない方が良いでしょう。 本機も含めFuzzFace系のペダルは本体ツマミのVOLUMEが最大位置にて良いパフォーマンスが得られます。 なので、本機VOLUMEマックス状態で、必要な音量+αくらいにセッティングすると良いかと思います。 調整が終わりましたら、ジャックとスイッチを画像のように元に戻して完成です。

FF-1: 静岡S様

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久しぶりの更新ですな。 本題に入る前に、 余っていたパーツ達を組み合わせて、最近、こんなギターを組み立てまして。 各弦のチューニングを、設定した音程にレバーで3段階に切り替え可能なHipshotのTrilogyというブリッジを取り付けたストラトタイプのギター。 オープンチューニングや全弦半音下げなどに瞬時に変更でき、精度も良いです。 ボディーは古いFender Japan 57年モデルの塗装を剥がして、ガスバーナーで焼き色つけたあと、シェラック塗装しました。 ネックはStewMacの物です。 うん。カッコ良いですね〜。(10/20) さて、本題に入ります。 静岡のSさんよりFuzzy Faith FF-1のオーダーをいただきましたので、製作に入ります。 いつものようにパーツの厳選作業から開始します。 パーツには個体差がありますので、測定器にて計り、計算して選んでいきますが、最終的にはFF-Simulatorにて回路を組んで音出し最終チェックを行います。 音を聴いて、いくつかパーツを差し替え、微調整する事も多いですね。 パーツの個体差が音の違いとなって現れる要素が大きいパーツもあり、この作業は必須です。(10\20) 右側の個体は私がライブやレコーディングにて、使用している物です。 パーツ選別で目指すのはこの個体の音です。(10/20) 久々にやったら、結構、時間がかかってしまいました。 パーツが決まりましたので、シュミレーターよりパーツを外します。 これで、ようやく製作開始となります。(10/20) 上記の厳選したパーツを基板に半田付けしていきます。 画像は表面ですね。 右下にバイアスと出力調整用の半固定ボリュームが見えますが、これを調整すると歪みの質感が変化します。 私がベストだと思う位置に調整して出荷しますが、ご購入の方でご自分で調整してみたいという場合はご連絡いただければ、方法をお教えいたします。(10/21) 基板にコードを取り付けていきます。 コードはベルデン製ですね。 画像の表面はビンテージ風味のパーツが並んだシンプルな感じですが、裏面にノイズ対策のフィルターや音質補正のパーツが並んでます。(10/23) で、こちらはケース材の加工完了の図。(10/23) そして、ラベリング完了の図。 完成間近!(10/23)  ケースに回路を組み込み、バイアス調整中の